〜カヤックで琵琶湖を旅するブログ〜
宮ヶ浜

 この日、近江八幡の水郷を漕ぐ予定だったのだが、いつもの出艇場所ど真ん中に、ヘラブナ釣りのおじいさんが、陣取っていた。

すぐ横から、カヤックを出してもいいかと尋ねたが、ダメだと即答された。本来なら、ダメだと言われる筋合いもないのだが、そこで揉めても仕方がないので、宮ヶ浜へ移動した。

 

 ここは、何度も漕いでいるので、今さら書くこともないけど、まだ3月も終わりだというのに、カヤックをやっている人を3組も見た。

 

 

 思い返せば、カヤックを始めたのは2010年の初夏だった。今年で8年目。いろいろあった8年間だったなあ。

温かくなってくると水辺に足が向くようになる。今年は何回漕げるだろうか。

 

 

 

 

 この日の宮ヶ浜の水の色はこんな色。

 

 

 

水郷2017

 近江八幡の水郷の葦原が金色に染まったら、年内に一度はここに来ないといけない。

 寒くなってくる時期でもあるので、動くのが億劫になり、家でぬくぬくしていたいのだが、そんなことではいけないと思い、今年もここを漕ぐことにした。

 そんなふうに思うなら、家でぬくぬくしていればいいのにと、思われるかもしれないが、そういうわけにはいかない。なぜなら、ここを漕いだ後は、来て良かったと後で思い返すことが出来るからだ。

 家でぬくぬくと過ごしたいると、その日のことは日常に埋没してしまい、記憶に残ることはない。

 

 

 いつものグランド横に車を駐車したら、先客の車が1台駐車してあった。屋根に、カヤックを固定するレールが装着してあるので、リジッドに乗っている人なのだろう。僕の知らない人だな。

 

 カヤックを組み立てて、いつもの場所から出て、いつもの水路を通り抜ける。少し開けた場所に出ると、遠くの方に青いカヤックが見えた。この日は風もなく初冬にしては暖かな日だったので、陽気に誘われて水辺の旅を楽しんでいるのだろうか?

 どんな人なのか、近寄ってみようと思い、パドルを進めていると、その人もこっちに近づいてくる。近くまで来て、挨拶もしたのに、一瞬では気が付かなかった。何て非礼な。昨年、ここで偶然、お会いしたNさんだった。その後、今年のGWにも、沖島一周でご一緒いるのに、カヤックに目が行って分からなかったとは。

 

 実は前日、フェイスブックのカヤックのコミュニティに、僕がここに来ることを書き込んだのを見て、来てくださったとのこと。僕が書き込んだのは、日常に埋没しないように、ここに来るため。Nさんも、寒くなったし、何かのきっかけがないとなかなかカヤックをしようという気になれず、同じような気持ちでいたところ、僕が書き込んだのを見て、ここに来てくださったらしい。

 

 

 

 Nさんは、僕と合流する前に、1時間ほど水郷の中を漕いだとのこと。僕に同行して同じところを漕いでもらうのは、心苦しかったけど、付き合ってくださるようだ。この日は、西の湖のような広い景色を見るのではなく、水郷の迷路の中を漕ぎたかった。

 鴨類を中心とした渡り鳥が、水郷の葦原のあちらこちらに潜んでいて、カヤックが近づくと、驚いて飛び去って行く。それを何回も繰り返しながら、漕ぎ進むのだが、飽きることのない行為だ。

 

 葦で囲まれた水路を漕いでいると、繁った葦の合間に、ベンチが設置してある場所がある。水郷周て辺の陸地を歩いたことがないので、このベンチに座るには、どの小道を歩けば、たどり着けるのだろうかと思う。

 

 この日は、2時間ほど水上をウロウロした。またいつか、きっとここに来よう。

 

 

白龍湖(姉川ダム湖)

 

 琵琶湖に注ぐ姉川上流にあるダム湖を漕いできた。白龍湖というらしい。「姉川ダム湖」よりも「白龍湖」という呼称の方が断然いい。「ダム湖」というと、環境破壊とかネガティブなイメージが付きまとうが、「白龍湖」という名前にはネガティブなイメージは微塵もない。

 

 

 水際に行くには、アクセスが少しややこしかった。奥伊吹スキー場へ向かって走っていくと、トンネルが連続して二か所あるんだけど、カヤックを出す水際の公園に行くためには、一つ目のトンネルを過ぎて、二つ目のトンネルに入るすぐ手前を右折することになるが、これがうっかりしていると通り過ぎてしまうので、もしこれから行こうと思っている人は注意しましょう。

 水際の公園には、トイレも完備されている。しかし、駐車スペースから水際までは、カヤックを運ぶのに少し歩かないといけない。近江八幡の、宮ヶ浜くらいの距離かな。費用をかけてちゃんと整備した公園ではあるが、人は誰もいない。独占状態でカヤックの組み立てを行う。

 準備が完了したので、昼食を済ませて、出発する。GPSロガーのスイッチを入れるのを忘れたので、この日の地図上の移動軌跡は、途中から始まっているけど、ゴールの場所がそのままスタートの場所だと思ってください。っていうか、そんなこと参考にしたいと思ってこのブログを読んでいる人がいるかは分からないけど。

 

 ダム湖は、急峻な山で囲まれた地域に建設されるので、その成り立ちからからして、ビーチというものがほぼ存在しない。カヤックに乗り込んだら、休憩できる場所があまりない。

 コンクリートの壁が立ちはだかって、おどろおどろしい感じがする。ダムの放流が始まって、放水口からカヤックごと吸い込まれてしまうと困るので、フェンスには近寄らないようにする。しかし、そんなことがあり得るのかな。

 

 

 まだ日差しは強いけど、湿度が低いせいか、カヤックを漕いでいても汗は出ない。時折、少し強めの風が谷を吹き抜けていくのが心地よい。

 湖を奥へ進むと、湖底からやたらとブクブクとガスが出ているけど、あれは何なのだろう?

硫黄の臭いはしないので、火山性のものではないと思うけど、ちょっと不気味。 

 アオサギやカイツブリ等の水鳥がカヤックに追い立てられるように、飛び去って行ったり、小魚がカヤックの周囲を泳ぎぬけていく。

 

 ここが、姉川の湖への注ぎ口だ。流れが速く、ファルトボートでは、ここまでが限界。

 水が冷たく澄んでいて心地よい。

 この場所に到着する前に、流木やゴミが水面に堆積している場所があって、そこを突っ切らないといけない場所があった。運が悪いとそこで立ち往生になるので、注意しながらそこを通り抜けた。

 

 2時間ほど漕いで、この画像の橋の向こうにあるスタート地点に戻った。

 思い返せば、カヤックという趣味を始てから7年になる。鮮やかだった船体布の黄色がくすんできた気がする。年間を通してカヤックに乗る機会は多くはない僕だけど、それでもこの趣味を継続しているのは、カヤックに乗ると気持ちがリセットされる効果があるからだろう。そんな気がする。

 

 この日の距離は7キロ。

 

夕凪の湖北

 琵琶湖は、午後2時頃から波が荒れてくるので、それまでに陸に上がったほうがいい。と、よく耳にする。

 確かに、その傾向はあって、僕自身2時頃にはカヤックを終えることにしている。でも、これからの季節、日中は暑くなりがちで、短時間でもいいので夕凪の湖面を漕ぎたい気持ちになる。

 

 

 この日は夜まで風が穏やかなことを天気予報で確認して、3時半から2時間ほど、湖上散策した。

 この時期のこの場所は、湖面に菱の葉がびっしり繁っていて、樹上では鵜の営巣の盛りを迎えている。はずだった。

 そんな風景の中を漕ぎたかったのに、菱の葉は生育しておらず、鵜もいない。時期が少し早かったのか、今年はこんなふうなのかは分からない。烏丸半島の蓮も消滅したというし、毎年同じ場所に行けば同じものを見ることが出来るわけではない。どんな風景であっても、それはその時限りの風景。だから、この日にここで過ごす時間を大切にしよう。

 

 

 

 


 森羅万象生々流転、全ての現象は絶えず移り変わっている。琵琶湖には小鮎やビワマス等の在来種が豊かに溢れ、湖面では蓮や睡蓮が咲き誇るような風景をいつまでも見ていたいと思うのだが、環境の変化がそれを許さないようだ。

 波は穏やかだけど空はどんよりとしている。

 

 カヤックという趣味を始める前、陸地に三脚を立てて、いつもカメラのファインダー越しに、湖北の浮島の光景を眺めていた。

 そして、その度に、いつも思っていた。

 「あの島は、いったいどうなっているのだろう?」

 カヤックに乗ろうと思ったのは、そんな単純な思いの積み重ねの結果だった。

 

 浮島の植生は、ヤナギ類が主だと思われる。6月も中旬だというのに、瑞々しい新緑が残っている。その時々の琵琶湖の水位によって根が水中に没したり、水面に出たりする。陸地の樹木と違い、地中深くに根を張らなくても簡単に水を得ることが出来るので、地表近くに根を張っている。そのため、島の表面は、マングローブのように、根で覆われている。水に困らないのは、植物にとっては幸運なことかもしれないが、根の張り方が浅いと波で根の周囲の土が浸食され、倒木する可能性が高くなる。実際、湖岸には倒れているヤマギをしばしば目にすることがある。しかし、倒れても周囲には水があるためすぐに枯れることはなく、幹から枝が伸びて、倒れたまま生涯を送ることになる。

 もし、陸地からカメラのレンズ越しに見ていただけなら、こんな風景を見ることもなかった。何事も手で掴むことが出来るくらい近くに寄らないと、深遠に迫ることは出来ない。

 

 水深が浅いせいか、水温が高く生ぬるい。カヤックを降りて、島の周囲をジャブジャブと水を掻き分けるように歩いてみた。島はヤナギが生えているだけの世界ではなく、鵜の死骸が横たわっていた。あれだけの数の鵜がいるのだから、死骸を見ても不思議ではない。

 

 このブログは、カヤックに乗るための技術や、道具の使い心地についてはほとんど言及していない。でも、世間的に需要があるのは、どんなカヤックを買えばいいのか? といったハードウェアに関することだと思う。カヤックに乗って、僕がどう感じたのかについて、興味がある人は少ないだろう。

 地図上のGPSロガーの軌跡を見ると、小刻みにジグザグになっている。漕ぎつつ休憩を繰り返す場合、カヤックが流されるので、こんな感じの軌跡になる。

 

 この日、漕いだ距離は5.2キロ。

姉川河口

 この日、天気予報によると午前9時頃から風速4メートルの北西の風が吹くらしい。今回、漕ぐつもりなのは長浜市の南浜から姉川にかけての予定なので、琵琶湖の北西側から入った風が西岸に向けて波を運んでくるのを留意する必要がある。そういった理由で漕ぐのなら朝早い時間に限ると思い、8時半には出艇した。5月の終わりとはいえ、水温はそれほど高いわけではない。念のため、ロングジョンを着込んだ。

 前回、沖島で愛用していたカメラを水没させてしまい、いろんな機種を比較検討して、型遅れのフジの防水コンデジを安く手に入れた。今回からこのカメラを本格運用することになる。

 

 「カヤックが趣味」と言っても、その楽しみ方は幾多もある。冒険心をくすぐられるような漕行も好きなのだが、陸上生活では見られないような景色を発見しながら漕ぐのは、とても楽しいものだ。特に僕の場合、物事がどう見えるのかということがとても重要で、気に入った光景を発見するとその喜びは大変大きくなる。肉眼では捉えきれない光景も多々あるので、そうした光景をレンズを通して拾い上げながら漕ぎ進むのだ。カメラ任せでは決して気に入った調子の画像にはならないので、このブログの写真はすべて僕好みに調整してある。

 

 南浜から北西に向かい、姉川河口から川を遡る。河口部分は砂が堆積しているので浅くなっているせいか、琵琶湖からのうねりが波を作り出している。湖北地方で琵琶湖に注ぐ川では、姉川が一番大きいのではないだろうか。そして何よりも水が澄んでいる。澄んでいるはずなんだけど、この日は数日前に降った雨のせいか透明度が低いような気がする。

 温かくなってきたので、藻類の影響もあるのかもしれない。琵琶湖は広く見晴らしがいいのだが、天候の変化で急激に状況が悪化するので、どこか油断出来ないところがあるのだが、こうした川は穏やかな気分が味わえる。

 

 9時を過ぎると少しだけ風が吹き始め、雲をどこかへと運び去った。カヤックの横から水面を覗くと、薄く残った雲と太陽が川面に落ちている。ボリュームのあるカヤックは、プカプカと浮かぶのには最適だと思う。アルピナ450は、スピードや組み立て時間の短さ、カヤックとしての格好良さ!?は、アルピナ430より優っているのだが、静止時の安定性においてはやはりアルピナ430に軍配が上がる。だって、そういう艇だからそりゃそうなんだけど。

 

 姉川は、ある程度漕ぎあがると浅くなってしまい、ファルトではそれ以上進めなくなる。そこで止まって岸辺の風景を眺めていると、一瞬、舳先にセキレイが止まった。僕が驚いて舳先を見た瞬間、セキレイもすぐに飛び立って行った。ただの浮遊物だと思って羽を休めようと止まったら、人が乗っていたので驚いたのだろう。その刹那、羽が躍動し、空気を掻き回すようなブルブルという音が聞こえた。

 

 この日、姉川の川辺は香しい空気に満ちていた。この花の香りだと思うけど、どんな名前の花だろうか。

 

 カヤックの横に手を伸ばして、水中にカメラを入れて撮影してみる。この画像は上下逆ではなく、水面に川底が映り込んでいるのだ。

 

 

 その後、水面際から見える光景に惹かれ、写真をたくさん撮った。

左側の水面が盛り上がっているのは、カヤックが水を掻き分けて進むため、両舷の水面が盛り上がるためだと思われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これはとても興味深い光景だ。水平に浮かんでいた雲が、水面で屈折し凹んだように見える。

 漣がさながらパレットナイフのように、川底の色と空の色を混ぜ合わせて、その時々で様々な色を作り出している。
 河口近くまで戻ると、琵琶湖から押し寄せる波が音を立てている。背が立つほどに水深が浅いのは分かっているけど、押し寄せる波というはちょっぴり怖い。つくづく神経が細いなあと思う。

 

 11時前には、出艇地の南浜へ戻った。出発した時の雲はすっかりどこかへ行ってしまい、浜辺に運び上げたカヤックの船体布の上を気持のよい風が吹き抜けていく。この日の移動距離は6.8キロ。