〜カヤックで琵琶湖を旅するブログ〜
夕凪の湖北

 琵琶湖は、午後2時頃から波が荒れてくるので、それまでに陸に上がったほうがいい。と、よく耳にする。

 確かに、その傾向はあって、僕自身2時頃にはカヤックを終えることにしている。でも、これからの季節、日中は暑くなりがちで、短時間でもいいので夕凪の湖面を漕ぎたい気持ちになる。

 

 

 この日は夜まで風が穏やかなことを天気予報で確認して、3時半から2時間ほど、湖上散策した。

 この時期のこの場所は、湖面に菱の葉がびっしり繁っていて、樹上では鵜の営巣の盛りを迎えている。はずだった。

 そんな風景の中を漕ぎたかったのに、菱の葉は生育しておらず、鵜もいない。時期が少し早かったのか、今年はこんなふうなのかは分からない。烏丸半島の蓮も消滅したというし、毎年同じ場所に行けば同じものを見ることが出来るわけではない。どんな風景であっても、それはその時限りの風景。だから、この日にここで過ごす時間を大切にしよう。

 

 

 

 


 森羅万象生々流転、全ての現象は絶えず移り変わっている。琵琶湖には小鮎やビワマス等の在来種が豊かに溢れ、湖面では蓮や睡蓮が咲き誇るような風景をいつまでも見ていたいと思うのだが、環境の変化がそれを許さないようだ。

 波は穏やかだけど空はどんよりとしている。

 

 カヤックという趣味を始める前、陸地に三脚を立てて、いつもカメラのファインダー越しに、湖北の浮島の光景を眺めていた。

 そして、その度に、いつも思っていた。

 「あの島は、いったいどうなっているのだろう?」

 カヤックに乗ろうと思ったのは、そんな単純な思いの積み重ねの結果だった。

 

 浮島の植生は、ヤナギ類が主だと思われる。6月も中旬だというのに、瑞々しい新緑が残っている。その時々の琵琶湖の水位によって根が水中に没したり、水面に出たりする。陸地の樹木と違い、地中深くに根を張らなくても簡単に水を得ることが出来るので、地表近くに根を張っている。そのため、島の表面は、マングローブのように、根で覆われている。水に困らないのは、植物にとっては幸運なことかもしれないが、根の張り方が浅いと波で根の周囲の土が浸食され、倒木する可能性が高くなる。実際、湖岸には倒れているヤマギをしばしば目にすることがある。しかし、倒れても周囲には水があるためすぐに枯れることはなく、幹から枝が伸びて、倒れたまま生涯を送ることになる。

 もし、陸地からカメラのレンズ越しに見ていただけなら、こんな風景を見ることもなかった。何事も手で掴むことが出来るくらい近くに寄らないと、深遠に迫ることは出来ない。

 

 水深が浅いせいか、水温が高く生ぬるい。カヤックを降りて、島の周囲をジャブジャブと水を掻き分けるように歩いてみた。島はヤナギが生えているだけの世界ではなく、鵜の死骸が横たわっていた。あれだけの数の鵜がいるのだから、死骸を見ても不思議ではない。

 

 このブログは、カヤックに乗るための技術や、道具の使い心地についてはほとんど言及していない。でも、世間的に需要があるのは、どんなカヤックを買えばいいのか? といったハードウェアに関することだと思う。カヤックに乗って、僕がどう感じたのかについて、興味がある人は少ないだろう。

 地図上のGPSロガーの軌跡を見ると、小刻みにジグザグになっている。漕ぎつつ休憩を繰り返す場合、カヤックが流されるので、こんな感じの軌跡になる。

 

 この日、漕いだ距離は5.2キロ。

姉川河口

 この日、天気予報によると午前9時頃から風速4メートルの北西の風が吹くらしい。今回、漕ぐつもりなのは長浜市の南浜から姉川にかけての予定なので、琵琶湖の北西側から入った風が西岸に向けて波を運んでくるのを留意する必要がある。そういった理由で漕ぐのなら朝早い時間に限ると思い、8時半には出艇した。5月の終わりとはいえ、水温はそれほど高いわけではない。念のため、ロングジョンを着込んだ。

 前回、沖島で愛用していたカメラを水没させてしまい、いろんな機種を比較検討して、型遅れのフジの防水コンデジを安く手に入れた。今回からこのカメラを本格運用することになる。

 

 「カヤックが趣味」と言っても、その楽しみ方は幾多もある。冒険心をくすぐられるような漕行も好きなのだが、陸上生活では見られないような景色を発見しながら漕ぐのは、とても楽しいものだ。特に僕の場合、物事がどう見えるのかということがとても重要で、気に入った光景を発見するとその喜びは大変大きくなる。肉眼では捉えきれない光景も多々あるので、そうした光景をレンズを通して拾い上げながら漕ぎ進むのだ。カメラ任せでは決して気に入った調子の画像にはならないので、このブログの写真はすべて僕好みに調整してある。

 

 南浜から北西に向かい、姉川河口から川を遡る。河口部分は砂が堆積しているので浅くなっているせいか、琵琶湖からのうねりが波を作り出している。湖北地方で琵琶湖に注ぐ川では、姉川が一番大きいのではないだろうか。そして何よりも水が澄んでいる。澄んでいるはずなんだけど、この日は数日前に降った雨のせいか透明度が低いような気がする。

 温かくなってきたので、藻類の影響もあるのかもしれない。琵琶湖は広く見晴らしがいいのだが、天候の変化で急激に状況が悪化するので、どこか油断出来ないところがあるのだが、こうした川は穏やかな気分が味わえる。

 

 9時を過ぎると少しだけ風が吹き始め、雲をどこかへと運び去った。カヤックの横から水面を覗くと、薄く残った雲と太陽が川面に落ちている。ボリュームのあるカヤックは、プカプカと浮かぶのには最適だと思う。アルピナ450は、スピードや組み立て時間の短さ、カヤックとしての格好良さ!?は、アルピナ430より優っているのだが、静止時の安定性においてはやはりアルピナ430に軍配が上がる。だって、そういう艇だからそりゃそうなんだけど。

 

 姉川は、ある程度漕ぎあがると浅くなってしまい、ファルトではそれ以上進めなくなる。そこで止まって岸辺の風景を眺めていると、一瞬、舳先にセキレイが止まった。僕が驚いて舳先を見た瞬間、セキレイもすぐに飛び立って行った。ただの浮遊物だと思って羽を休めようと止まったら、人が乗っていたので驚いたのだろう。その刹那、羽が躍動し、空気を掻き回すようなブルブルという音が聞こえた。

 

 この日、姉川の川辺は香しい空気に満ちていた。この花の香りだと思うけど、どんな名前の花だろうか。

 

 カヤックの横に手を伸ばして、水中にカメラを入れて撮影してみる。この画像は上下逆ではなく、水面に川底が映り込んでいるのだ。

 

 

 その後、水面際から見える光景に惹かれ、写真をたくさん撮った。

左側の水面が盛り上がっているのは、カヤックが水を掻き分けて進むため、両舷の水面が盛り上がるためだと思われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これはとても興味深い光景だ。水平に浮かんでいた雲が、水面で屈折し凹んだように見える。

 漣がさながらパレットナイフのように、川底の色と空の色を混ぜ合わせて、その時々で様々な色を作り出している。
 河口近くまで戻ると、琵琶湖から押し寄せる波が音を立てている。背が立つほどに水深が浅いのは分かっているけど、押し寄せる波というはちょっぴり怖い。つくづく神経が細いなあと思う。

 

 11時前には、出艇地の南浜へ戻った。出発した時の雲はすっかりどこかへ行ってしまい、浜辺に運び上げたカヤックの船体布の上を気持のよい風が吹き抜けていく。この日の移動距離は6.8キロ。

モノトーンの湖


 ついこの間まで咲き誇っていた桜もすっかり散ってしまい、湖面に浮かんだ花筏も今となっては跡形もなく、枝の葉の緑も日ごとに濃くなっていく。春爛漫とした景色は、既に過ぎ去り、季節は初夏に入ろうとしている。

 天気予報を見ると風がなさそうだし、夕方までは雨の心配もなさそうなので、少しでも漕げればと思い、長浜の湖岸へ向かった。


 フレームを組み立てる時に、久々にやってしまった。フレームの接合部に指を挟んでしまい、血豆が出来てしまった。幸いにも出血には至らずに、内出血で済んだのが幸いだった。油断するとこうだ。次回からはグローブを嵌めて作業するようにしよう。

 この辺りはマキノの浜辺に比べると岸辺にゴミが多い。なぜなんだろう?風向きのせいで、ここにゴミが流れつくのか?

 「日本は、外国と比較してゴミが落ちていない。」

 と言うが、日本人にもゴミのポイ捨てをする輩はいる。まったく許せない行為だ。しかし、自治会等の市民団体のボランティア活動で、清掃活動を行っている人達がいる。そうした活動に加わってみると、ポイ捨てをしていく人がいかに多いかが分かるし、そうした心無い行為に対して腹立たしさが募っていく。ゴミが落ちていないのは、そうした人たちの不断の努力の結果だと思っている。

 琵琶湖を遊び場にする場合でも、カヤックを漕いでいる最中に、タオルを無くしたりするとポイ捨てと同じ結果になってしまう。そのまま沈んでしまうと、拾えないゴミになるので、注意しないといけない。





 こんな場所を見付けるとパドルの動きを止めて木陰でプカプカするのを楽しんでしまう。




 天の川河口。釣り人がたくさんいたので、あまり近づかずにUターンする。

 温かくなってくると、このブログの閲覧数も増えてくる。カヤックの道具のインプレッションは、ブログ価値が高いと思うが、漕行記は、僕自身の個人的な思いを綴っているだけなので、読み飛ばされているだろうなあ。たまには、道具の記事でも書いてみようかな。



 天気予報どおり雲が多くなってきた。雨が降ると困るので、早々に陸に上がった。正直なところ、もう少し漕いでいたかったけど、またそのうちに。

 7キロほどの水上散歩だった。ここのところ、雨が降り続いたせいか、湖水が濁っていた。





 
冬の名残と初夏の気配の中で花は咲く。



 平地ではすっかり散ってしまった桜も海津大崎では今が盛り。早朝、天候を確認してカヤックを車に積み込み、湖北へ向かう。この日のカヤックツーリングの予定は、永原駅近くの大浦川から琵琶湖に出て、海津大崎を経由してマキノへ向かい、電車で永原駅まで戻るという行程だ。8時過ぎに湖西線の永原駅に到着する。この日の未明に、近畿地方で大きな地震があったので、駅で電車の運行状況を確認してから大浦川の畔でカヤックを組み立てることにする。この地域の桜のベストシーズンの土曜日なので、ファルトを組み立てる人であふれていたらどうしようと思ったのだが、そんな心配をよそに、いつも通り僕一人だ。

 この日はアルピナ1−450ハイブリッドで行くことにする。この艇はアルピナ2ー430よりも荷物の積み方に気を配らなくてはならない。完全に組み上げてからだとカート等の大きな荷物を収納しづらいのだ。そのような理由で、浮力体や荷物を収納しつつ組み立てていく。
 組みあがったカヤックを持ち上げて川べりまで運ぶが、僕には重過ぎる重量だ。運ぶのがかなりきついので、それだけに神経を集中させてしまい、艇をぶつけたりして船体布を傷めないか心配だ。

 9時にカヤックを水上に浮かべて大浦川を琵琶湖へ向けて下る。川岸の枯れた葦に冬の名残を感じる。

 大浦川の河口には、大浦の集落がある。川岸の桜は満開だ。山里と桜と静かに流れる川。何と癒される光景だろう。この時期に、ここに来ることが出来て良かった。

 桜は毎年必ず咲くが、必ず見ることが出来るとは限らない。2月に亡くなった僕の祖母は、今年の桜を見ることは出来なかった。

 来年もここで桜を見ることが出来るのなら、それは幸せなことなのだろう。












 河口から琵琶湖へ入った辺りで、フットブレイスを装着し忘れているのに気づく。しかし、この日は沈した時に備えて、着替えをドライバッグに詰め込んで足元に置いてある。そのため、足がその荷物で固定されるため不便は感じないので、この日はそれで通すことにする。







  本来であれば、大浦川の河口から東に向かい、小さな入り江を一周してから海津大崎へ向かうと、より楽しそうなのだが、そのルートだと沖を1キロほど漕ぐ ので僕一人では危険だ。そう思って前方を見ていると、スタンドアップパドルボードで、沖を移動している人が2人いるのが見える。これって湖に落ちた時、すぐにリカバリ出来るのかな?沖へ出るのは、特に水温の低いこの季節は危険ではないのか?それとも、見た目よりも波や風に強いのか?




 岸辺で目立つのは桜の花ばかりではない。若々し過ぎるまだ柔らかい新緑が初々しい。木々が萌える有様に、初夏の気配を感じる。



 5艇ほどのカヤックのツアーに参加している人たちがいる。インストラクターらしき人が漕ぎ方やカヤックの種類や価格を説明している。
 
 この日は、魞(定置網)に2か所遭遇した。ツアーの人たちはリジッドだということもあり、ワイヤーの上を通過していたが、手で持ち上げたら下をくぐれそうだったので、僕は下をくぐり抜けることにする。沖へ出て、迂回するには距離があり過ぎる。




 1時間くらいカヤックの中で座っていると、姿勢が固定されて背中や腰が痛くなってくるので、一度上陸して休憩することにする。




 海津大崎の岬に近づくたびに花見客が増えてくる。観光船も頻繁に通るようになり、引き波に気を配らないといけないようになる。
 
 船が進むときに後方に発生する引き波とは、波紋が形状を変えたものである。湖に石を投げ込むと同心円状に波紋は広がっていくが、波紋が広がるスピードよりも船の進むスピードが速い場合に波紋は引き波に姿を変える。




 海津大崎の岬の西側は、岩礁地帯になっている。大きな岩が水中に沈んでいて、それに気が付かないと座礁してしまう。そのため、慎重にゆっくりとカヤックを漕ぎ進める。スピードを落とすことで、水中の岩を目視しやすくなるし、座礁してしまったとしても、衝突エネルギーを小さくする事が出来るので艇の損傷を抑えることが出来る。

 そう思って漕いでいると、後方から、KG−1に乗った60前後くらいの男性が、スコップみたいな形状の木製パドルを巧みに操作して、僕の横を漕ぎ抜けて行く。
 その刹那に、僕の目の前で座礁する。でも、パドルを杖みたいにして座礁した岩に突き立ててカヤックを浮かせて脱出して、何事もなかったかのように行ってしまう。慣れた感じの熟練のパドラーに見えたが、底に穴は開かなかったのだろうか?
 パドルのそういった使い方は、木製やアルミならいいのだろうけど、カーボンやグラスだったら、傷めてしまいそうだな。


 しばらく漕いでいるうちに冷たい風が吹くようになり、波も出て来た。ちょうど12時になったので、大崎寺を少し過ぎた辺りで上陸し、持参したおにぎりを食べて、防寒目的でカッパを着た。寒くなって波も出てきたので、楽しくなくなってくる。トイレにも行きたくなってきたが、あいにく近くにはトイレはない。いつもだったら適当に済ませるのだが、花見客でいっぱいなので、そうすることも出来ない。
 ここからはがんばって漕いで一目散にマキノの湖のテラスへ向かうことにする。そんな状況でも、この辺りはカヤックをやっている人が多い。やはり一年で一番カヤックでここが賑わう時期だからか。





 1時頃、マキノの湖のテラスに到着する。この日は出艇してから4時間も楽しんだので、これで十分だ。上陸した場所に桜の木があったので、写真を撮っていると、花見客のオバチャン達がその桜の下に座って昼ごはんを食べ始めた。僕はカヤックを分解し始める。船体布のジッパーを開けていると、オバチャンがカメラのシャッターを押してくれと頼みに来たので、集合記念写真を撮ってあげた。年代的にフィルムカメラかと思ったら、しっかりとデジカメだった。お礼に柿の種をくれた。

 撤収が終わり、カートを引きながらマキノ駅へ向かった。地震の影響で乱れていたダイヤも通常に戻ったらしく、定刻通りの2時51分の電車に乗り永原駅へ向かった。

 この日漕いだ距離は11キロ。


 帰宅後、船体布を乾かして、翌日にチェックしたら船体布に擦れた跡があったので、穴は空いていないけど、念のためスーパークリアを塗っておいた。
 来年もまた必ず、この時期にここに来よう。


姉川で魚と戯れた日



  特にどこかを漕ぎたかったわけではなく、休日に早起きしたのでカヤックに乗りたくなり、琵琶湖へ出かけた。手軽に行ける南浜へ向かった。浜へ向かう公園の木陰でカヤックを組み立てる。木陰と芝生というのは、出艇準備をするには良い環境だ。これで水辺がもう少し近かったらいいんだけど。

 この日は、試してみたいことがあった。まあ、この日に関わらず、カヤックに乗るときはいつも何かを試していると言ってもいのだけど。普段、デジタル一眼レフを首から提げて写真を撮っているのだが、RAWで撮影出来て、GPSロガー機能もあるキヤノンのPowershot S100 というコンデジを買ったので、一眼レフの代わりになりえるのか?




 10時くらいに浜辺からカヤックを出す。その時間帯は予想に反して湖面に少々、波が立っている。
下の写真だとそれほどでもないが、時おり大きなウネリが押しよせて来たりするのだ。それなら、ウネリが押し寄せて来た時に撮影すればいいのだろうけど、そういう時は写真どころではないのである(笑)

 今回も最初はバラスト無しで15分くらい漕いでみる。しかし、やっぱり不安定。そんなわけで、シートのすぐ後ろに8キロくらいの水タンク、フットブレイスの前に3キロくらい荷物(ドリンク)を積んでみる。やはり、安定性が随分変わる。この程度なら操艇が重くなるような感じもしない。僕の技量と体重だと、このセッティングがベストなようだ。






 琵琶湖は、湖面の様子があまりよろしくないので、姉川で、まったりと過ごす事にする。いつものことながら、小鮎の死んだものがたくさん浮いている。秋にかけて、その数はさらに増していくのだろうけど。その腐臭や水辺の植物、プランクトン、藻。。。。等が織り交ざり、夏の琵琶湖の匂いがする。

 上流から運ばれた土砂が堆積し、それが川の流れの都合で運ばれ、ところどころ浅くなったり深くなったりしている。川底が浅くなっている場所ではスピードを落としてゆっくりと慎重にカヤックを漕ぐ。カヤックに乗り始め頃は、そんな事はお構いなしで漕いでいた。スピードが出ているにも関わらず、川底が浅くなっているのに気が付かないと、カヤックの底を擦り船体布を傷めることになる。僕のアルピナ2−430には、そうした行いの結果生じた穴の補修跡がある。

 




 小鮎がたくさん泳いでいるのを目にする事は出来るが、体長30センチくらいの魚も素早く泳いでいる。カヤックの後部に、時折、「ドンッ」という衝撃を船体布を通して感じるが、その大きさの魚が突進して来たのだと思う。

 姉川河口の水上散歩も飽きてきたので、琵琶湖へ戻ることにする。先ほどは波が立っていたのに、それがすっかり収束している。




 河口に堆積した土砂の上に竹生島が乗っている。


 南浜の水泳場に上陸し、持ってきたおにぎりを食べる。立て看板に、バーベキュー禁止と、日本語やポルトガル語で書かれているが、日本人も外国人もそんなのはお構いなしで、バーベキューをしている。

 以前、オーストラリアへ旅行したとき、川辺にバーベキューの施設(コンロ)があって、誰でも利用出来るようになっていた。こういう場所では、どうせバーベキューをやりたくなるのだろうから、決められた区域で有料にすればいいのではないかと思うのだ。ただし、ゴミを捨てたり許可区域以外で行う等の違反をしたら、罰金10万円とかにすればいいと思う。罰金は安いものではいけない。高くするべきだ。

 まあ、僕はカヤックなので、バーバキューはやらないけどね。火の着いた炭が船体布にくっついたら、溶けて穴が開くだろうな。




 魞に設置されている網が一部盛り上がっている場所がある。これと、長浜の街を背景にして、白黒写真を作るとおもしろそう。

 白黒フィルムを入れた一眼レフで、湖面に映った魞の杭と組み合わせて何枚か撮ってみる。

 暗室作業が楽しみだ。


 湖面が穏やかだったのも束の間。すぐにまた波が立つようになってきた。漕いでいても楽しくないので、この日は撤収。漕いでいたのは3時間くらいかな。

 漕いだ距離は5.8キロ。

 キヤノン Powershot S100 とカヤックの親和性のインプレッションは、また後日。

 

湖北で鵜を追いかけた日

 梅雨の合間の晴れた日曜日、久々にY君と湖北の島を巡った。前回、漕いでいる途中でいつのまにかエアスポンソンの空気が抜けていたので、果たして今回は大丈夫か確かめる意味もあって、カヤックはアルピナ2−430を使う。暑いのでコーミングカバーは装着しない。夏場、岸部でゆったりと浮かぶときは、オープンデッキがいいかも。本気で漕ぐときは、シーソックを装着しないと安心は出来ない。

 朝方は涼しくても、日光を浴びて組み立て作業をしているとやはり暑い。Y君は、カヤックに乗るのは1年以上のブランクがあるので、組み立てに戸惑っている様子。カヤックを水辺まで運んでいる時に、足の裏がチクリとするので、サンダルの裏側を見たら菱が突き刺さっている。裸足だったら、かなり怖いことになっていた。

 10時過ぎに準備が整い、湖上へ出る。


 葦が微妙に生えている場所を抜けると、そこは、菱の平原になっている。菱の葉は、秋になると真っ赤に紅葉する。紅葉は陸上の樹木だけのものではないのだ。Y君から、ずっと以前、菱の実を塩ゆでして食べたことがあるという話を聞いた。ここなら秋になたら、菱は採取し放題なんだけど、果たして旨いのかな。栗に似た味ということらしいけど。でもここの菱って、小型みたいだけど本当に茹でて食べることが出来るの?そもそも、カヤックに乗りながら採取出来るのかな。




 水面が反射して、画像の上半分は表現力が乏しい。PLフィルターを持ってこれば良かったかな。



 
 菱の平原を抜けて、南へ向かい、石碑のある島を一周することにする。鵜が群れて飛んでいる。この時期は繁殖期なのだ。普段は人がほとんど立ち寄る(漕ぎ寄る)ことのない島に、侵入者を発見し、危険を察知してコロニーから飛び去っていく。この日は、カヤックに糞を落とされなくて幸いだった。Y君は、命中していたようだけど。

 

 飛んで逃げる鵜もあれば、湖に飛び込む鵜もいる。泳いでいる鵜がいたので、併漕してみる。たまにカヤックの下に潜り込んだりもする。菱の平原は、パドルを水面に挿したときに、魚が驚いて跳ねることが、漕いでいると頻繁に起こる。魚影が濃いのだろうな。言い換えれば、鵜にとっては餌が豊富だということになる。それにしても、いくら何でも、鵜は増えすぎじゃないのかと思うくらいだ。




 石碑の島を一周したところで、巣から落ちたと思われる鵜を発見した。雛と言うにはかなり大きいが、それでもまだ飛ぶことは出来ないでいる。親鳥を呼んでいるのか、しきりに喉を鳴らしている。
 巣から落ちたこの雛はどうなるのだろうか。

 

 次に、二番目の小さな島へ向かう。昨年の秋に来たときよりも水位が上がっているせいか、島の面積が狭くなっている。

 この辺り一帯に生えているアカメヤナギ(多分)の枝は、鵜の巣だらけになっている。巣を作る事が出来る枝には、全て巣が作ってあるのではないかと思えるくらい。人間社会で例えるなら、大都市圏か。地価が高そうだな。


 3番目の島は完全に水没していた。やはり梅雨時は水位が高いらしい。
戻るにはまだ時間的には早いので、北へ向かってみる。冬の渡り鳥がいない季節なので、通行してもいいのかと思ったら、テトラポットの外を通行するようにというアナウンスが野鳥センターからあった。それはいいのだけど、テトラポットってかなり沖にあるし、その近くまで漕いでみると、テトラポットの外側は、波が立っている。荒れているほどじゃないけど。そんなわけで、引き返す事にする。

 

 水上というのは、陸上と違って造形的なおもしろさを発見しやすい。



 1時過ぎに、出艇した場所へ到着する。

この日の水位はマイナス2センチ、漕行距離は6.2キロ。

海津大崎で花見

 いつかは、「お花見カヤック」というものをやってみたいと思っていた。桜は、開花期間が短いうえ、その期間中に、休日と天候の都合が着かないと、ツーリングを実行するのは難しい。

 芸術作品は、ただ制作すればそれでいいというものではなく、完成度が高く洗練されていなくてはならない。 カヤックツーリングにおいてもそれと同じで、ただA地点からB地点に行けばいいというものではなく、その道中で得るものが多いほど良い旅となる。しかし、毎回完成度が高く洗練された旅をするのは様々な要素が左右するので、簡単ではない。さて今回はどうか。。

 空が白みかけた5時過ぎに家を出て永原駅に6時30分に到着する。今回は、まだまだ不慣れなアルピナ1−450ハイブリッドを使用した。
 桜のシーズンなので、カヤックを組み立てる場所がないくらいカヤッカーで溢れていたらどうしようと思ったが、そんなこともなく駅前はいつもどおり誰もいない。安心したが、少し寂しくもある。アルピナ1−450を利用した電車行は今回が初めてになる。組みあがったカヤックに荷物を積載しようとしたが、アルピナ2−430には余裕で艇内に収納出来た量の荷物が収納出来ないのだ。長さにして20センチ長いので、ボリュームは低くても積載量は同じくらいかと思っていたが、そうではない。

 今回は、途中で荷物の出し入れの回数が多いような気がしたので、シーソックは使用せずに浮力体を使ったが、それで荷室がますます狭くなったみたいだ。カヤックのザックとカートは何とか艇内に収納出来たが、着替えや小物が入ったリュックサックは後部デッキに固定した。

 次回は後で書くけど、バラストも積載する予定なので、荷物の積み方については再考しないといけない。



 
 7時30分にカヤックに乗り込み水上の人となる。やはりアルピナ2−430と比較すると安定性は低い。乗り沈、降り沈は要注意だ。カヤックを少し進めると、堤防の上から花見客の老夫婦から声をかけられた。彼らは徒歩で海津大崎を経由してマキノへ向かうとのことだ。陸上と水上、ルートは違えども同じ目的地へ向かう道中の安全をお互いに祈り別れた。

 川を少し下ったところで、フットブレイスの位置を調整していないことに気が付いた。つま先を固定出来ないので、快適なパドリングが出来ない。でも、カヤックに乗った状態で手を足元に伸ばすと沈する可能性がある。アルピナ2−430なら多分、大丈夫かもしれないが、450は絶対無理だ。しかし、上陸出来そうな場所はしばらくないので、そのまま川を下っていく。この時間帯、太陽が低い位置にあるため横から光が注ぎ込むので、目の前のもの全てが立体的に見える。それが水面に映り込んだ光景はとても美しい。美しいのだが、フットブレイスの位置が気になって、それを満喫出来ない。

 ようやく河口に辿り着き、琵琶湖に入る。琵琶湖は、ごく弱い風が吹いているせいか小さな波が立っている。しばらく漕いで、小さな浜辺を見つけ、そこでフットブレイスの位置を調整する。しかしこれって、毎回調整するのは面倒なので、何か目印を近いうちに付けておいた方がいいな。

 大浦の辺りは桜はまだ咲いていない。つぼみの状態だ。手を水に浸けてみるが、この時期はまだ冷たい。沈したくはない状況だ。

 しばらく漕いでいるうちに曇ってきた。地形的な要因によるのか、この日の天候の状態がそうなのか分からないけど、漕いでいる場所によって曇ったり晴れたりしていた。海津大崎が近くなってくると、開花し始めた桜の木が、ところどころに現れるようになり、花見客を乗せた観光船も往来している。





 海津大崎の先端は、岩礁が多いので、それにカヤックを衝突させたり座礁したりしないように注意して漕ぎ進む。ナビで計測したら、アルピナ1−450の巡航速度は、僕の漕ぎ方だと時速5キロくらいみたいだ。アルピナ2−430よりも2割ほど速いような気がする。風や波の状態によって、4キロの時や6キロの時もあるけど、腕が苦痛にならない漕ぎ方で漕ぎ続けるなら、時速5キロと見ていいだろう。これは、今回のツーリングが終わった後で気づく事だが、アルピナ2−430よりも、腕への負担が少ないので、より遠くへ行くことが出来るということだ。漕いでいてもグングンと進んでいるような気がする。時速4キロと5キロなんて大差ないように思うけど、意外とこの差は大きいのかもしれない。

 ただやはり安定性に不安が残るので、怖くてリーンは出来ない。こわごわ、わずかな体重移動をして艇を曲げることになる。やはりバラストを積んだ方が良さそうだ。10キロくらいの水タンクを積めばいいだろう。僕の体重は61キロなんだけど、70キロくらいの人が乗るといいのかもしれない。




 
 海津大崎の突端から半島の西側に回り込むと、頂に雪が残る山々が見えた。山の頂には冬の名残が、麓の桜には春の気配が、存在している。

 ほんの数分、漕ぎ進むだけで空模様はがらりと変わる。同じ日にわずかな時間をずらしただけで、これだけ変わるとは。ここまで来ると、さすがにカヤックの姿がチラホラ遠くに見えるようになる。満開とはいかないまでも、桜がちらほら咲き始めているので、陸上でも花見客でにぎわっている。

 大崎寺の近辺からだと思うけど、スピーカーから、

「あまざけー。あまざけは、どうですかー。」

という販促の宣伝が聞こえてくる。もしかしたら、甘酒ではないかもしれないが、僕にはそう聞こえる。この音声は、対岸の知内川辺りでも、よく聞こえた。そんなに強固に甘酒を販売したいのだろうか?
それにしても、本当に甘酒なのかな。



 それにしても、この日は大量のカヤックを見た。こんなにたくさんのカヤックを見たのは、この日が初めてだ。でも、マキノの高木浜から海津大崎のエリアにしかいない。少し離れた場所から漕ぎに来る人は稀なのだろう。だから永原からの道中は、誰にも会わなかった。


















 しばらく漕ぎ進み、高木浜に到着する。この辺りは、いつ来ても気分がいい。カヤック乗りが集まるのも分かるような気がする。




 

 先ほどの寒々とした光景とは違い、ここは、温かさであふれている。桜が咲き始め、ユリカモメが舞い、浜辺を散歩する親子がいる。(後姿しか見えないけど、きっとこのお母さんは美人だな。)

 そんな風景を眺めながらパドルを動かすのがとても好きだな。人の生活がすぐ近くにある場所はほっとする。
 
 目的地の高木浜の湖のテラスに到着したが、時間はまだ10時で、体力的にも余裕がある。ここで撤収してマキノ駅から電車に乗る予定だったが、もったいないので近江中庄まで漕ぐことにする。この湖のテラスの周辺は、カヤックが多い。あいさつを繰り返して、マキノプリンスホテルの前を通り過ぎ、いつも通り知内川を遡ってみる。この日は琵琶湖の水位は17センチで、水量が多い。前日に雨が降ったせいか、その水が知内川を満たしている。


 
 1、2ヶ月過ぎれば、小鮎をはじめとする魚達の姿でいっぱいになるこの川も、春先のこの季節は静けさを保っている。
 ここから見える山の頂にも雪が残っている。

 知内川の河口で、カヤックから降りて、休憩した後、カヤックに乗り込むときに、バランスを崩し、艇内に水が入ってしまった。
 浅い場所だったので、川底に手を突き、完全なる乗り沈には至らなかったが、深い場所だとやばかったかもしれない。そのため、右腕がびしょ濡れになる。


 知内川から南へ向かうが、そこから先は、カヤックをやっている人は誰もいない。
近江中庄駅近くの浜に到着したのは、11時15分。風が出て、曇ってきたので、ここで撤収した方がいいだろう。この日は、不覚にも食料を持って来るのを忘れていたので、腹も減ってきたことだし。幸い、この近くには例のカレーの店がある。

 この日の漕行距離は14.3キロ。

 電車の本数が1時間に1本しかないので、急いでかたづけなくてはならない。そういう時に限って話しかけて来る人がいる。既にフレームをバラバラにしてダランとした船体布が干してある状態だったのだが、やはりこんな乗り物で永原から来たのが驚きだったようだ。ザックに荷物を収納し、カートにショックコードで固定していたら、ショックコードのフックが砕け跳んだ。樹脂製のフックだからいつかこうなるとは予想していた。

 実は、20代の頃、バイクで沖縄へ行った事があり、そこで荷物を固定するショックコードの樹脂製フックが砕けて、荷物が固定できずに少し困ったことがあったのだ。そんな経験もあり、ショックコードは2本持つことにしている。それが役に立つとは。。

 12時頃にカレーのおいしい喫茶店に入り、マスターに電車の時間を教えてもらい、カレーとコーヒーを楽しんだ後、近江中庄駅へ向かう。徒歩で10分くらいの距離だ。ここは無人駅でキップを買う事が出来ない。そのまま、電車に乗り込み永原で降りる。電車が空いているとは言え、ホームと電車の間に隙間があるので、荷物を電車から降ろす瞬間はいつも緊張する。それが終わっても、永原駅の長い階段が待っている。この駅は改札らしいものがないので、自己申告で窓口で運賃の精算をした。

 車に荷物を積み終えたのは午後1時。完成度や洗練度が高いツーリングではなかったが、今はそれをいつかするための準備期間だと思っている。




永原からマキノ


 

 永原駅に車を止めて、マキノ駅近辺までを紅葉の琵琶湖を漕いでみた。天気予報では晴れだったのに、この日は一日曇っていた。

 朝、起きると寒く行くのをためらったが今行っておかないと、紅葉の時期を逃してしまうし、これから先どんどんと寒くなっていくので、今日がチャンスだと思いまだ暗いうちに家を出た。


 川の近くの道端でカヤックを組み立てて、10時頃に水上へ出る。

 この川は狭くて水深が浅いけど、透明度は高かった。いつも琵琶湖で漕ぐ場合は、砂浜からの出艇なので、乗り沈しないか少し心配だった。

 パドルは電車行なので、TNPのアルミシャフトでナイロンブレイドの四分割を使った。つまり、重たいパドルだ。

 15分ほどで、河口から琵琶湖へ入る。川を抜けて琵琶湖へ入るというのは、なかなか新鮮な感じがする。琵琶湖の状態がどうなっているか分からないので、ドキドキする感もある。河口を抜けたら、風が強く三角波が立っていたなんてことになったら、どうしようと思ったり。

 河口を過ぎて、回廊状の川から一気に広い空間が広がる。


 

 大浦湾(っていうのかな)から、右側が海津大崎、左側が葛篭尾崎。今日は一日こんなどんよりとした天気だった。写真には写っていないけど、釣りを楽しむ人のボートが何艘か浮かんでいる。

 寒くなってきたので、フリースを着ることにする。着替えるには、PFDを外さないといけないけど、そのわずかな時間に沈したら困るなあと思いながら、素早く慎重に水上でフリースを着込む。

 


 大浦の集落を出て少し行くと、右側はホテルや別荘地になっている。僕はこのあたりでは泊まったことがないけど、湖畔のリゾートという感じだ。紅葉している木もあり、秋のムード満載だ。曇っているのがイマイチだけど。


  11時30分頃に、上陸し、少し早めの昼食にする。海津大崎の岬の先端近くなので、開けた光景が広がっている。この辺りの浜は、砂利が多く。波打ち際では、小石がシャリシャリという小気味良い音を鳴らしている。この辺りの水はとても透明度が高い。
 

 海津大崎の先端辺りは、岩礁地帯になっている。岩場に、紅葉している樹木が張り付いていて、天然の日本庭園のようだ。そもそも、日本庭園が自然を模して作ってあるものだから、こちらがオリジナルなんだろうけど。

 曇りなので、紅葉のきれいな色が写真に出なくて残念だ。


 この辺りまで来ると、腕の疲れがそろそろ限界に近い。ブレイドの幅の狭い軽いパドルなら、疲れが少ないのだろうけど。


 海津の集落沿いに入っていくと、こんな幟が何箇所か立っている。

「重要文化的景観の日(海津・西浜・知内の水辺景観)」と書いてある。今日がその日なのかな。


 こんな花が浮いていた。秋に咲く木の花。何の花なのだろうか。何もない秋の終わりの浜辺に、この色はよく映える。

 1時15分頃に、マキノの湖のテラスに到着する。西浜には、親子連れが一組と、出艇しようとしている赤いタンデムのファルトに乗り込んだ2人、あとは誰も居ない。マキノ駅から永原に向かう列車は、1時間に1本しかない。この時間帯は、毎時51分発だ。かなり急げば1時51分に乗れるだろうけど、そこまで急がなければならない理由もなく、2時51分の電車に乗ることにした。

 船体布をゆっくりと乾かし、時おり、ベンチに座って琵琶湖を眺める。先ほどの赤いファルトは海津大崎の方へ向かい、どんどん小さくなりやがて視界から消えて行った。ゆっくりとしたパドリングだが、まるで2人の腕が糸で繋がっているかのように連携して動いている。美しいフォームだ。

 電車に乗る時間を1本遅らせたので、時間を持て余すかと思ったら、そんなわけでもなく、すぐに2時半になった。湖のテラスからマキノ駅までは10分もかからなかった。マキノ駅も永原駅もエレベーターがないのがきつい。

 以前から、漕ぎたいと思っていたこの区間をこの日は漕ぐことが出来て満足だった。






湖北の小島、2回目


 前回、やり残したことがあったので、また湖北の小島を巡って来た。

 出艇位置は、前回と同じ場所。夏場に比べると、随分涼しくなっているはずだけど、それでもカヤックを組み立てるときは、汗だくになる。おそらく、早く湖上に出たくて、気が焦っているんだろうと思う。本当は焦らなきゃならないことなんて何もないのに。のんびりとした気分で組み立てる事が出来るようになったら、精神面で新しいステージに立つことが出来たということだろう。まだまだ修行が足りないな。

 さてさて、そんな状態で組み立てが終わり、11時に出艇する。


 
 ここに前回訪れたのは10月20日だから、9日間経過している。心成しか、菱の絨毯の面積が狭くなっているような気がする。

 前回、撮れなかった写真を撮るために、右前方の1番目の島へ向かう。これが、前回叶わなかった事の一つ。

 詳細は、こちらのブログに書いてあるので、興味があれば読んで下さい。


 この日のこの辺りは、場所によって水質や水の流れがが大きく変わる。3つの小島と岸部の間は、波がほどんどなく湖面が鏡のようになっているが、水は濁っている。小島よりも沖に出ると、水の透明度が増すが、小さな波が立っている。

 1時間ほどかけて、3島をぐるりと周った後、まだ時間があるので、前回は北へ向かったが、今回は南へ向かうことにする。



 まるで剣山のようなポールがたくさん刺さっている。ポールの切れ目を見つけ、そこを通過する。


 左側のマングローブのような雑木林に中に、小さなビーチが点在している。この雑木林は、湖岸道路と琵琶湖の間に存在しているが、それらの小さなビーチは、湖岸道路からは薮が深いのでアクセスが出来ない。

 漕いでいると、「ボチャン」という音がして、バウ側のデッキに水がかかり、船底に振動を感じた。かなり大きな魚が、カヤックに体当たりをしてきたようだ。

 
 ちなみに、この白い物体が、僕が愛用しているGPSロガーの「i-gotU GT600」だ。このGPSロガーは、緯度経度を記録していくだけのものなので、帰宅したらPCにデータをダウンロードして、「轍 Wadachi」というソフトを使用して、HTMLページを作成している。このソフトはフリーウェアだが、とてもありがたいソフトだ。



 しばらく漕ぐと、左側に、湿地を保護するためなのか目的は分からないが、柵が出現した。そろそろ、どこかの浜辺に上がって、昼ごはんにしようと思っていた頃だし、この柵はかなり続きそうだし、景観的にもよろしくないので、引き返すことにした。そう思った頃に、大きな魚の死体が浮いているのを発見した。パドルのブレードよりも大きな魚だ。さっき、カヤックに体当たりしてきたのも、これくらいの大きさなのかもしれない。

 途中、水鳥の死体が浮いているのも見た。そう言えば、海津大崎では、イノシシの死体も見たな。幸い、人間は今までは見ていないが。。

 魚も水鳥もイノシシも撮影はしたけど、掲載はパス。

 狭い浜辺で、立ったまま、おにぎりを食べる。地面を見ると、貝殻がたくさん落ちている。20分ほど休憩して、岐路に入る。



 夏の名残が、ところどころに。


 再び、島の周囲を周ってみる。3番目の島に、前回は気が付かなかった史跡を発見した。この史跡の写真を撮ろうと思うと、上陸しないと撮れない。雑草がたくさん生えているし、アシナガバチがたくさん飛んでいるし、鵜の糞で周囲は真っ白だし、写真を撮るのに少し苦労した。

 これを見つけるのが、やり残したことの2つ目。

 この日は目的を達したので、満足だった。
 

 振り返ると、見渡す限り、琵琶湖がたゆたうように水を蓄えている。

 漕いだ距離は7キロ弱。
 琵琶湖の水位は、マイナス15センチ。



 そう言えば、最近、市の美術展に琵琶湖の写真を出展したら入選した。風景は入選しづらいのだけど、運が良かったのだろう。


湖北の小島


   今日は10時くらいに琵琶湖へ着いたけど、出艇ポイントを探すのに、時間を費やしてしまった。水草が茂っていたり、漁港のコンクリートの場所だったりで、なだらかな浜辺はこの辺りはほとんどない。それでもなんとか、組み立てるスペースと出艇出来そうな場所を見つけた。その場所は、過去に何度も写真を撮りに来たことがある場所だが、カヤックと写真撮影では、周囲への注意力がまるで違うので、そこから出艇出来るとは気がつかなかった。

 今日のこの場所は、僕にとって大きな意味を持つ。琵琶湖に訪れるきっけかになったのは、この場所からの風景を見たからだ。カヤックに乗り始めるずっと前、15年くらい前になるだろうか。ここで白鳥を見たり、水中林のある小島の風景写真を撮るのが好きで、よく通っていた。その頃からずっと、ここらに点在している水中林は、近くまで行くとどうなっているのだろうと思っていた。それを、今日見ることが出来た。

  カヤックを組み上げることが出来たのが11時頃だった。初めて漕ぐ場所で、しかも一人だということもあり、パドルフロートとスペアパドルも用意した。沖で沈した場合、パドルフロートをうまく使って再乗艇出来るかは心配ではある。昨年の夏に一回練習しただけだからだ。でも、この日は風もほとんどなく、波も穏やか。心配はない。



  カヤックに乗り込み、最初の島へ向かい漕ぎ出すが、水面は水草がびっしりと生えている。どんな植物かと思ったら、菱だった。大量に生えている。知人に忍者がいたら、持って帰るのだけど。このブログを読んでいるあなた、もし、あなたが忍者だったら、ここへ来れば一生分の撒き菱が手に入りますよ。

 船体布の底から、草を引きずる感触が体に伝わってくる。



 
 数分間、漕ぎ進むと菱の平原は終わり、目的の小島が見えてくる。写真の3島の周囲を水上散歩するのが主目的だ。遠くに竹生島が見えているけど、こちらは今日は行きません。まずは右側の島へカヤックを進めることにする。





  右舷遠方に白鳥を発見。そう言えば、カヤックを組み立てている時に白鳥の「こーこー」という声が聞こえていたのを思い出した。そろそろそういう季節だと思い、今日は望遠レンズを持参している。10枚以上撮影したが、動くものを撮るのはなかなか難しい。





 最初の島が近づいて来た。細長い島だ。木が水中から生えているわけでなく、陸地もちゃんと存在している。琵琶湖の水位によって、陸地の面積はかなり変わるのだろうと思う。この辺りは、岸から離れているにも関わらず、かなり浅い。

 

 水面に映りこむ木々の姿がとても美しい。最初の島の魅力は、線状に並んだ木々の姿だろう。




 一周して、南側から順光で撮影してみる。島の周囲を丹念に探っていくと、いろいろな宝物(光景)を発見することが出来る。




 次に3島の中では、岸から一番遠い2番目の島へ向かう。



















 ←こいつが犯人(犯行内容については後述)


 眠っているのか、かなり近寄っても逃げない。この鳥は、琵琶湖では歓迎されない鵜だ。

 2番目の島は小さいので、すぐに一周出来てしまう。次に3番目の島へ向かう。2番目の島と3番目の島の間は、とても水深が浅く、歩いて行けそうなくらいだ。




 3番目の島を一周する。この島は、きれいではない。3島の中では、一番大きな島だけど、それだけに漁業者の道具が置いてあったり、鵜の糞で樹木が真っ白に変色している箇所が見られる。汚い場所は撮影していないので、写真はないが、樹木が真っ白になるほど、鵜の個体数は増えているということだろう。

 もしかして、この3番目の島が、カヤックガイドのお姉さんが教えてくれた「飯開島」だったのだろうか。僕の探し方がまずかったのか、石碑のある場所は分からなかった。


 交換レンズはこんな感じで無防備にデッキに置いている。15年程前に買ったものなので、今さら濡れて壊れたとしても未練はない。機材はどうでもいい。手元に交換レンズを置いておかないと、シャッターチャンスを逃がしてしまう。




 島の北側に、こんな倒木があった。これを見ると、根は地中に向かって伸びずに、表面で広がっているようだ。そのため、倒れやすいのだろう。おそらく、水が乏しい環境であれば、水を得るために根が地下に向かって伸びるのであろうが、ここに生える木は水に困るようなことはない。しかし、それがこの木にとっては仇になったようだ。それでも、この木はまだ生きている。

 3島の中で2番目の島が良かったので、そこで昼食にしようと思い、2番目の島へ向かう。





 
 この日は、艀を牽引しているタグボートが、往復しているのを何度か見た。最後まで見ていたわけではないけど、つづら尾崎に向かっているのだろうか? かなり大きな資材を運んでいるようだけど、もしかして、人目につかない場所で、秘密要塞でも建設しているのかもしれない。




 2番目の島に上陸する。「島に上陸する」というのは、ロマンに満ちた特別な響きを持つ言葉だな。例えそれが、徒歩で一周するのに1分も要しない小島であったとしても。いや。それだけ小さな島ならなおさらか。

 上陸後、カヤックが流れていってしまわないように、慎重に陸に引き上げておく。もし、カヤックが流れて行ってしまったら、この島で、しばらく暮らさないといけないはめになる。島の陸地を見ると、猟銃の薬きょうや、小さな鳥の骨なんかが落ちている。もしかして、漂流者がカモを撃って食べた跡か。(そんなわけはないが。。)
 
 あれ?でも、ここって猟をしてもいい場所なのかな?


 念のため、携帯電話を取り出して電波状況を確認したら、使用できる状態であった。もしかしたら、携帯の電波って、予想以上に広範囲に届くのかな。

 昼食の時くらい、座ってゆっくり食べたいものだが、乗艇中はずっと座っているので、立って食べていたほうが体が楽だ。狭い島を歩きながら、おにぎり3個をたいらげる。

 3島を巡るという目的は達したけど、引き返すには早いので、北へ向かってみることにする。



 まだかなり距離があるというのに、水鳥たちは、いっせいに逃げてゆく。僕のカヤックが1艇近づくだけで、何千羽に影響があるのだろうか。水鳥たちを驚かせるのは本位ではないが、ある程度はやむをえない。愛鳥家にここを通るなと非難されても困る。もちろん、明文化された条例があるのならそれに従うのだが。。

 そうは言っても、水上交通権があるから法令で禁止されていなければ、どこでも自由に通行するぞという厚顔さはさすがに持ち合わせていないので、野鳥センターの随分手前で引き返すことにする。野鳥センターのすぐ前には白鳥が集まっている。それを観察している人たちもいるだろうから、邪魔にならないように、南へ進路を返すことにする。



 また、おもしろいもの発見。魞を構成する杭だろうか。リズミカルに並んでいる。それが、水面でユラユラして楽しい感じだ。

 しばらく進むと、また菱の平原を進むことになる。カヤックの舳先近くや、パドルを水に刺しいれる瞬間、ボチャンという大きな水音がすることがある。それも、かなりの高確率で。菱が茂っているのでよく分からないけど、水深が浅いので、パドルで驚いた魚が下に潜ることが出来ずに、水面に出てくるのだろう。

 この日、漕いだ距離は5.5キロ。琵琶湖の水位はマイナス16センチ。
島を探った日だった。


 カヤックを撤収し終わった後、2番目の島の向こうに夕日が落ちてから、写真撮影をした。




「菱の平原、2番目の島、竹生島、そして秋の雲」





清少納言ではないが、「秋は夕暮れ」とはよく言ったものだ。

秋ほど空模様が美しい季節はないと思う。


撮影メモは、こちら。