〜カヤックで琵琶湖を旅するブログ〜
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舟出
 

 10年くらい前の新緑の季節、近郊の湖でカナディアンカヌーに乗った。手漕ぎの舟は水上を散歩する速さで進めるのがいい。陸の上なら自分の足で景色を楽しみながら散歩することが出来るけど、水面を歩くのは、忍者等の特殊な人達(!?)じゃないと無理であるし、エンジン付の船だと、景色を楽しみながら進むには速すぎる。ちなみに、「舟」と「船」の違いであるが、「舟」は手漕ぎのもので「船」はエンジン付のものを指すらしい。鳥の鳴き声と木々や葉が風で擦れて出すサラサラという音、僕が操作するパドルの音。それ以外の音は何も聞こえないとてもシンプルな世界がそこにはあった。

  これが、初めてのカヌー体験で、その後、ずっと僕の心の中にその時の感覚が潜んでいて、いつか水上に自由に漕ぎ出したいという思いが、折に触れてよみがえったり、消えたりを繰り返していた。

 琵琶湖でカヤックを楽しんでいる人を見たとき、若狭湾でシーカヤックが海面を滑るように進む場面を見たとき、東南アジアの島々で海洋民族がアウトリガーカヌーを操っているのを見たとき、いつか、自分も水上散歩をしてみたいと思った。

 しかし、そういう思いとは裏腹に、泳ぎがそれほど得意ではなく、肌が弱いので体を水に浸けたり紫外線を浴びるのは避けたかったり、他に買いたいものがあったりという経済的な理由で実現することはなかった。

 

 結局のところ、実現できない理由と実現させたいという強い思いを天秤にかけて、どちらへ傾くかで実現したりしなかったりするのだと思う。ただ、それだけのことだ。


 そんなわけで、2010年5月16日、一艇の黄色いファルトボートを手に入れた。

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