〜カヤックで琵琶湖を旅するブログ〜
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ヨシキリの鳴く水郷



 ついこの前、桜が散ったばかりなのに、季節は既に初夏だ。数日前まで肌寒い日が続いていたのに、日差しの強さが季節の移ろいを物語っている。水郷に行くのはいつも秋の終わりか冬だった。桜の季節もいいのだろうけど、それは今後の楽しみに残しておくとして、初夏の水郷はどうなっているのか漕いでみることにした。吉田兼好なら、「花は盛りに葦は冬枯れのみを漕ぐものかは」と、言ったに違いない。

 いつもの場所に、9時ころに到着しカヤックを組み立てる。この日はアルピナ2−430に乗ることする。琵琶湖のような広い場所をグイグイと漕ぎたい時はアルピナ1−450ハイブリッドだけど、水郷のように狭い水路に迷い込みながらゆっくりと漕ぐような場合はこの艇がいい。準備が整ったので9時30分にカヤックに乗り込む。いつものことながら、この瞬間は何とも言えない高揚感に包まれる。



 グランド沿いの水路を北西に向けて漕ぎ進む。ゴールデンウィーク中ということもあり、水郷巡りの観光船が行き交っている。観光船の後ろにくっついて狭い水路を漕ぐ。天気が良いせいか日差しがきつい。この日は久しぶりにベトナム笠を被った。水郷風景に笠はよく似合うような気がする。頭の上を風が通り過ぎて行くので涼しくて快適だ。


 

 下の画像のような狭い水路が、この水郷には無数にある。その一つ一つを探っていくのは楽しい作業だ。どこかに通じている水路もあれば、袋小路(袋水路!?)になっている水路もある。行き止まりになるまでは、どこかに繋がっているはずなので、それがどこなのかを探るために進んでみる。初めて水郷に来たころには、迷路の深みに嵌ると二度と抜け出せない世界に迷い込んでしまいそうなのが恐ろしくて、ナビを使って自分の位置を確認しながら漕いでいたけど、今では迷うこと自体が楽しくなっている。






 この日もフィルムカメラを持ってきたけど、雲一つない青空で風景写真を撮るには適していない状況だ。そういうわけで、このカメラの出番は少なかった。次回に期待しよう。







 西の湖を一周しようと思ったけど、天気予報に反して風が吹いている。それほど強い風ではないけれど、針路を維持するのに少しがんばらないといけないくらいの風だったので、西の湖を一周するのは避けて長命寺川を下り水郷へ戻ることにした。長命寺川も風が吹いている。川の両岸は釣り人でいっぱいだ。ここは漕いでいてあまり楽しくない区間だ。






 両岸の釣り人の邪魔にならないように、出来るだけ川の中央部を漕ぐようにする。風は強くなってくるし、釣り人はいるし、景色はつまらないので、パドルをひたすら動かすことに専念する。そうしているうちに、一匹の小魚がコックピットに飛び込んできた。小鮎かな。手ですくい上げて、川に放してやったらすぐにどこかへ泳いで行ってしまった。






 長命寺川から水郷へ向かう水路に入ると、途端に風は止む。少し進むと左方向に、通ったことがない水路があるのを発見したので、入ってみる。その水路を抜けると、真珠の養殖場にたどり着いた。こんなルートがあるとは気が付かなかった。狭い水路は、水草の茂り具合や水量によって、通行が出来たり出来なかったりするのだろう。夏になったら、水草で通れない水路が増えるのだろうな。






 水郷の岸辺には、こういった取水小屋をよく見かける。小屋の中は、川から水を汲み上げるポンプが入っているのだろうけど、ハックルベリーでも住んでいそうな雰囲気だ。






 少し進むうちに、また通ったことのない水路が目に入ったので、そちらへ入ってみる。小さな水路を丹念に探っていくのは何て楽しいのだろうか。突き当りは、水郷巡りの観光船の発着場所になっていて、そこには鯉のぼりが泳いでいた。
 昼になったので、カヤックに乗ったまま、おにぎりを頬張ることにする。水郷はカヤックから降りて休憩出来る場所が少ないのだ。






 この日は、始終、ヨシキリが鳴いていた。葦に囲まれた水路を漕ぎ進んでいるとけたたましく鳴きながら飛んでいる姿が目につく。小さな鳥だけど、その鳴き声のためか、存在が際立つのだ。ヨシキリは留鳥かと勝手に思い込んでいたが、調べてみたら渡り鳥だった。秋や冬にヨシキリを見かけなかったのはそのためだ。






 言わずと知れた「よしの大竜神」。水郷のランドマークだ。水郷に来たら、一度はこの前を通りたい。






 「よしの大竜神」を過ぎた直後、蛇が泳いでいるのを発見。もしかしてこれが竜神!?
先ほどの長命寺川の小鮎のように、コックピットに飛び込んで来たらパニックになるので、写真を撮ったら一目散に蛇から離れることにする。





 グランド横の水路を来た時とは逆方向に戻るが、これが失敗。水路が狭いので、観光船とすれ違うのに気を使うのだ。この水路は一方通行だと考えた方がいい。次回は、別ルートを通って戻ることにしよう。
 出艇地まで戻ったけど、まだ漕ぎ足りないような気がしたので、グランドの西側の葦で囲まれた水路を漕いでみる。いつもは、真ん中の水路を通るのだけど、北側の水路はどうなっているのだろうと思い、通ってみた。北側の水路は、水路沿いに遊歩道があるせいか、ゴミが浮いている。真ん中の水路は遊歩道に面していないので、ゴミがない。観光船が真ん中を通るのが分かるような気がする。

 水郷の中には、水面に幹がせり出したように生えている木をたまに見かける。この木なんて、麦わら帽子を被ったトム・ソーヤが座って、釣り糸を垂らしている姿がよく似合いそうだ。この夏には、マーク・トウェインの小説でも読んでみようか。





 2時近くにカヤックを引き上げて、撤収する。船体布が乾くのが速い。さすがに初夏だ。カヤックのかたづけが終わりかけたころ、水郷の中から誰かが話しかけて来た。声の方を見ると、赤いアルピナ2−430に乗った60代の男性だった。普段は青森に住んでいて、キャンピングカーにカヤックを積んで日本中を旅しながら水上散歩をしておられるらしい。今回は旅に出て二か月くらいとのこと。定年後に、そういう旅をするのが夢だったらしい。
 僕は、常々、早く年を取って定年退職したいと思っているので、それを告げたところ、「いつかは誰にでもそういう時期が訪れるのだよ。」と、津軽訛りで言われた。「いつかは」「そういう時期」、僕はそこまで無事にたどり着けるのだろうか。

 この日漕いだ距離は10キロ。


Oeさん、こんにちは。

水もヨシもこの時季のこの色。季節を特定できる色の組み合わせです。 和舟もカヤックも、舟頭さんには傘が似合います。 人の手と傘が似合うのかもしれませんね。 

「トム・ソーヤーの木」ここで傘を被って本を読む人に会いたいものです。
ウッドデッキ | 2013/05/08 09:27
えー。ここに座って本を読むのですかー。ここは、地面がない場所のような気がするので、この木に座るのは、かなり大変そうですよ。
って、僕が「ここで傘を被って本を読む人」になるのかなと、想像してしまいました。
Oe | 2013/05/08 23:05
そうですよ、傘を被ってその木に座り、釣り糸垂れながら本を読んでいるOeさんに会いたいものです。
ウッドデッキ | 2013/05/10 22:03
 こんばんは〜5月6日、同じ日に水郷でカヤックを楽しみました。
出発するのが遅かった上、彦根を観光してから
近江八幡に行きましたので、到着したのが4時前
となり、それから2時間ほど漕ぎましたが、結構
風が強かったです。
時間が遅かったので屋形船とは一度もすれ違うことがありませんでした。
ようやく暖かくなってきましたので、海津大崎に
続き、今年2度目の漕ぎとなりました。
さすプー | 2013/05/11 02:10
ウッドデッキさん。
 グランド前の出艇場所の葦原の中に、ひっくり返って根っこがむき出しになっている大きな木がありますけど、僕が幹に座ると「トム・ソーヤの木」もひっくり返ってしまうのではないかと心配です。もしかして、あちこちでひっくり返っている木は、トム・ソーヤの仕業かもしれません。
Oe | 2013/05/11 14:34
さすプーさん。
 水郷はカレントで行かれたのですか?
僕は、夕方近くの時間、カヤックを漕いだことはありません。これからの時期は暑くなりますので、その時間帯に漕ぐのが良さそうです。でも、風が強くなる時間帯ですので、注意は必要ですね。水郷は葦原が遮ってくれるので比較的ましなのでしょうけど。僕も今年の夏は夕方漕ぎをやってみます。
Oe | 2013/05/11 14:46
 Oeさん、こんにちは〜
今日は雨なので、大人しくしています。
水郷は、カレントで漕ぎました。
琵琶湖は、午後を過ぎると風が強くなる
傾向があり、波立ちで漕ぐのが大変ですので
風の影響を受けないところとして水郷を選び
ました。近江八幡は、たねややクラブハリエ
近江牛の名店、でっち羊羹のお店と、普通に
散策してもよいところですし、奈良からですと
車で1時間半ぐらいで行けて、交通費もそんなに
かかりませんので、近江八幡の休暇村前とともに
よく行くフィールドです。
 いつもダブルヘッダーな遊び方をしていて、
三上山に登ってからカヤックをしたり、朝に
武奈ヶ岳に登ってから昼にマキノでカヤックを
したりと欲張っています。この日も、昼に彦根
で自転車で名所旧跡をまわりました。
 実は、今日はならまちで昼食後、奈良市のダム湖
に行ってカヤックを漕ごうと目論んでいたのですが
雨が止まずに、スーパー銭湯でゆっくりしてから
帰ったのでした。
 登山をしていますので、キャンプ道具が揃って
まして、いつも車にキャンプ道具と折り畳み自転車とカヤックを載せています。
 よく信州に登山に行くのですが、登山口と下山口が異なる場合、先に下山口に自転車を置きに行ったり、登山の後に、安曇川をパックラフトで下ったり
木崎湖や、御獄山麓の自然湖でカヤックを漕いだり
しています。
 またよかったら、師匠のてっさんとご一緒にどこか漕ぎに行きましょう!海はまだ未体験で、技術もありませんので、時間があれば近くのダム湖で練習
しようと思っています。
さすプー | 2013/05/11 17:12
さすプーさん。
 一日にメニューを2つこなすなんて、かなり行動的ですね。滋賀県は街歩きが楽しいところでもありますよね。
 パックラフトは、僕も最近興味があります。浅い川だとファルトはきついですね。川を下ったらどうやって車まで戻るのですか?自転車を置いていくのですか。下っている間に盗まれたりしませんか?
Oe | 2013/05/11 18:36
 川下りは、フジタカヌーのアルピナ310で
することもありますが、水量が少なく浅い川だと
パックラフトを使用しています。
パックラフトは、安定性がよいので、渓流でも
突き刺さらない限り、ほとんど転覆しません。
また、浅い川でも十分下ることができます。
 一つ問題なのが、全く直進性がなく、静流域では
進みません。
 もともと川下りをする目的で始めましたので
石が出っ張ってたりしたら、よける!橋桁もよける!浅瀬を避ける。流木に気を付けています。
 下流に自転車を置いておくこともありますが、
折りたたんで目立たないところに袋などに入れて
さらに何かにくくりつけるように鍵をしています。
今まで自転車を盗まれたことはありません。
 または、京都の木津川、宇治川のように、電車
の路線がありますので、下流に車を置いて、公共
機関で上流に行って、そこで組み立てて下ったり
しています。
 熊野川ではウォータージェット船がありますし
田舎でも、バスが走ってたりします。
基本一人の場合を考えていますが、通常は二人で
二台の車があれば、下流域に車を一台置いて、
もう一台で上流に行くというのは王道のようです。
 それか、ファルトに自転車が載せられないか
考えてたりします。carrymeという小さなコマの
自転車なら恐らくカヤックに積載でき、自転車用
の折り畳みトレーラーを使えば、一筆書きな行動が
できるかもしれません。
 Oeさんは、大垣にお住まいですか?
関ヶ原には、ホタルの時期に是非行きたいと思って
います。また、池田温泉には何度か行ったことが
あります。
 御嶽山の自然湖、とてもよいところですので
是非行ってみてください。山梨の本栖湖でカヤック
をするのも楽しいです。
さすプー | 2013/05/11 22:55
さすプーさんは、行動範囲が広いですね。
御岳自然湖や白水湖はいつか行こうと思っております。熊野川も行きたいけど、遠いですねえ。でも、ここはウオータージェット船で上って、帰ってくることが出来るのですね。その点はいいですねえ。
Oe | 2013/05/12 14:07
 ゴールデンウィーク後半、天気よかったですね。
 勿体無いとは思いましたが、漕がずにのんびりしてました。

 水郷、いいですね。カヤックデビューの地、ある意味私にとっての日生、琵琶湖にと同等の聖地です。そういえばソロで最近行ってないので、今度ソロで行ってみようかな。

 しかし龍神の使いに出会うとは、ラッキーでしたね!?
てっさん | 2013/05/13 16:45
てっさん。こんばんは。

水郷は優しい感じがしていいですね。大荒れすることもないですし。龍神の使い。。。泳ぐスピードは遅いです。カヤックでも追いつけます。でも近づきすぎて、カヤックの中に入るとえらいことになるので、ヒヤヒヤしながら撮影しました。
Oe | 2013/05/13 21:01
COMMENT









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