〜カヤックで琵琶湖を旅するブログ〜
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新緑の和邇から近江舞子



 桜もすっかり散ってしまい、季節は初夏に入ろうとしている。新緑と湖岸の町並みを眺めながらゆっくりと漕ぎたいと思い、ここへ来た。

 和邇から近江舞子区間は、僕が始めて電車を利用したカヤックツーリングを行った思い出深い場所でもある。あれからもう3年になる。

 この日もカヤックはアルピナ1−450ハイブリッドを使用する。和邇に9時に到着しカヤックを組み立てる。カヤックそのものを組み立てるのは20分もかからないのだが、荷物を詰め込んだり予備パドルやGPSロガー等の装備品を装着しているとそれなりの時間がかかってしまう。
 それでも目の前の穏やかな湖面に一刻も早く漕ぎ出したくて、気持ちが急くため、とにかく手早く用意するのだ。この季節でも、用意だけで汗だくになる。

 いったいいつになったら、のんびりとした心持で準備出来る余裕のある精神的な骨格を獲得出来るのだろうか。
 
 



 周囲に忘れ物がないか確認し(ここ重要)、10時前に出艇する。いつでもそうだが、漕ぎ出す瞬間はえも言われぬ高揚感に包まれる。

 僕の場合、琵琶湖をカヤックで旅する時に、一日で漕ぐ距離は10キロから15キロの間を、3−4時間かけて漕ぐのが理想的なペースである。自宅から琵琶湖に到着するまでの時間や、準備の時間、体力的な問題や琵琶湖が荒れだす時間帯、それらを考慮すると、そうなるのだ。

 この日から長靴はやめて、パドリングシューズにした。出艇準備で体が熱くなったが、足元を冷やしてくれるため心地よい。インナーにロングジョンを着込んでいるので、膝まで浸かっても冷たさが継続しないのでまったく問題ない。





 比良の山峰には、少しだけ残雪が確認出来る。この季節は残雪に冬の名残を、温む水に春を、新緑に初夏を、日差しに夏の気配を感じる。季節の狭間ならではの感覚だ。

 湖面が穏やかなので、力いっぱいパドルを動かしてみる。すると、おもしろいほどスピードが出て、グイグイと進む。でも、ずっとそんな調子で漕いでいるわけにもいかないので、ダラダラ漕いでみたり、手を止めて休んでみたりして進んでいくのだ。

 


 手袋を外し水中に手を入れて、この季節の琵琶湖の水を感じてみる。何かと触れ合うのなら、手袋ごしではなく直接触れてみたいと思うのだ。でも、豆が出来ると困るので、パドルを掴む手は手袋ごしなんだけど。

 理由は、よく分からないけど、一人で漕いでいる時には、なぜか水戸黄門の「じ〜んせ〜い。。。。」の歌が脳裏に浮かび、そのリズムでパドルを動かすことが多い。このブログの読者は知っていると思うけど、僕はすぐにいろいろな問題で「くじけやすい」性格である。以前、友人が、そんな僕に、

「水戸黄門が言ってるやろ?くじけてたら、誰かに追い越されるんやで。」

と、言われたことがあるが、

「水戸黄門が言ったわけではないやろ。それに、追い越されても、俺は構わん。」

と言って、友人を辟易させたことがあった。

まあ、年齢を重ねるといろいろな思い出が積み重なるものなのだ。湖面に浮かんで自分と対峙しているといろんな記憶がが甦るのだ。

 これを読んでしまった人は、次にカヤックに乗るときは、水戸黄門のテーマソングが脳裏でリフレインするに違いないと思います。






 琵琶湖には大小様々な大きさの定置網の魞(えり)が存在している。カヤックを漕いでいると、魞に遭遇する度に、

1 沖へ出て回避する。

2 岸辺近くで手で綱を持ち上げて潜る。

3 そのまま綱の上を通過する。

の中から選択しなくてはならない。状況に応じて、その都度、最適な方法で通過している。
巨大な魞だとかなり沖へ出なくてはならないので、危険が伴うため「1」は却下。
「2」は、バランスを崩して沈の可能性が高い。
「3」は、一番手堅い方法だが、綱のしなり具合をよく見極める必要がある。

通過の時は、頭を少しだけ悩ます魞だが、琵琶湖の風景には必要不可欠なものだ。「魞挿す」は季語にもなっているくらいなので、琵琶湖と魞は、縁深いものなのだ。魞がない琵琶湖は、想像できない。




 パラグライダーが次から次へと降りてくる。

 このブログを書くのは、正直面倒くさいが、でもそれは書き出すまでのことで、一旦書き始めるとそうでもなくなる。書きながらもう一度、旅が出来るのだ。
 



 12時になったので、昼食を取るために古い集落の石積みがある浜辺で上陸する。惣菜屋で買ったおにぎり2個とアジフライ。20分ほど休憩して、またカヤックに乗り込む。






 まだ芽吹いて1,2週間だろうか。この時期は新緑が美しいなあとつくづく思うのだ。近江舞子が近いせいか、砂が白い。

この日は、魚をたくさん見た。小鮎、ハス、ブラックバス。それ以上に、釣り人もたくさん見た。





 この日、ユリカモメをたまに見かけたが、夏羽に変化している個体が見受けられた。






 この日のゴール地点。近江舞子へ1時頃に到着。ここの白砂と水の透明度はとても美しいと思う。松林特有の良い香りも漂ってくる。遠景がぼんやりとして、雲の形がはっきりとしないのを見ると、春だなあと思う。

 白砂の松林の木陰で、のんびり出来ればいいのだが、すぐにカヤックを分解してザックに詰め込む。冷たいジュースが飲みたくなり、自動販売機を探す。しかし、自動販売機はたくさんあるけど、どれも休止中。近江舞子が客で賑わう季節にはまだ早いということか。

 近江舞子は電車の本数は多いのだが、ここもエレベーターがない。可及的速やかにエレベーターを設置してください。





 誰も乗っていない車両。進行方向の左側の車窓から、この日漕いだ琵琶湖が見える。和邇駅は、エレベーターが設置してあるので、楽だった。

 漕いだ距離は10キロ。またいつかここへ来よう。

 
白砂青松の近江舞子、まだひっそりとしているようですね。広い浜独り占めのカヤックが羨ましいです。
ウッドデッキ | 2014/04/29 14:07
ウッドデッキさん。
人で混雑する夏よりも、人もまばらで少しさびしげな水辺がいいですね。
Oe | 2014/04/29 14:27
毎回きれいな写真、楽しませてもらっています。

ぼくも何度か琵琶湖を漕いでいますが、湖西線は出艇地から駅までの距離が近くてうれしい反面、エレベーターのない駅が多く、しかも高架駅が多いのがつらいですね。とくに帰りは疲れているのでなおさら。

まあ、カヤックの出艇地になり得るような地域の駅にはだいたいエレベーターなんてないところの方が多いですかね。
てらぞの | 2014/04/29 16:26
てらぞのさん。
出艇地から駅までの距離が近いことや電車内が空いているのはありがたいですね。帰りは疲労困憊なので、階段は辛すぎです。エレベーターがあれば問題ないのに。
それでも、電車を利用したカヤックツーリングは、とても好きです。
Oe | 2014/04/29 17:11
歩きながら水戸黄門を口ずさみそう。
hayhay | 2014/04/29 17:42
hayhayさん。
ぜひそうしてください。ひたすら移動する時に、とてもこの歌のリズムは合っていると思います(笑)
Oe | 2014/04/29 18:10
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