〜カヤックで琵琶湖を旅するブログ〜
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夕凪の湖北

 琵琶湖は、午後2時頃から波が荒れてくるので、それまでに陸に上がったほうがいい。と、よく耳にする。

 確かに、その傾向はあって、僕自身2時頃にはカヤックを終えることにしている。でも、これからの季節、日中は暑くなりがちで、短時間でもいいので夕凪の湖面を漕ぎたい気持ちになる。

 

 

 この日は夜まで風が穏やかなことを天気予報で確認して、3時半から2時間ほど、湖上散策した。

 この時期のこの場所は、湖面に菱の葉がびっしり繁っていて、樹上では鵜の営巣の盛りを迎えている。はずだった。

 そんな風景の中を漕ぎたかったのに、菱の葉は生育しておらず、鵜もいない。時期が少し早かったのか、今年はこんなふうなのかは分からない。烏丸半島の蓮も消滅したというし、毎年同じ場所に行けば同じものを見ることが出来るわけではない。どんな風景であっても、それはその時限りの風景。だから、この日にここで過ごす時間を大切にしよう。

 

 

 

 


 森羅万象生々流転、全ての現象は絶えず移り変わっている。琵琶湖には小鮎やビワマス等の在来種が豊かに溢れ、湖面では蓮や睡蓮が咲き誇るような風景をいつまでも見ていたいと思うのだが、環境の変化がそれを許さないようだ。

 波は穏やかだけど空はどんよりとしている。

 

 カヤックという趣味を始める前、陸地に三脚を立てて、いつもカメラのファインダー越しに、湖北の浮島の光景を眺めていた。

 そして、その度に、いつも思っていた。

 「あの島は、いったいどうなっているのだろう?」

 カヤックに乗ろうと思ったのは、そんな単純な思いの積み重ねの結果だった。

 

 浮島の植生は、ヤナギ類が主だと思われる。6月も中旬だというのに、瑞々しい新緑が残っている。その時々の琵琶湖の水位によって根が水中に没したり、水面に出たりする。陸地の樹木と違い、地中深くに根を張らなくても簡単に水を得ることが出来るので、地表近くに根を張っている。そのため、島の表面は、マングローブのように、根で覆われている。水に困らないのは、植物にとっては幸運なことかもしれないが、根の張り方が浅いと波で根の周囲の土が浸食され、倒木する可能性が高くなる。実際、湖岸には倒れているヤマギをしばしば目にすることがある。しかし、倒れても周囲には水があるためすぐに枯れることはなく、幹から枝が伸びて、倒れたまま生涯を送ることになる。

 もし、陸地からカメラのレンズ越しに見ていただけなら、こんな風景を見ることもなかった。何事も手で掴むことが出来るくらい近くに寄らないと、深遠に迫ることは出来ない。

 

 水深が浅いせいか、水温が高く生ぬるい。カヤックを降りて、島の周囲をジャブジャブと水を掻き分けるように歩いてみた。島はヤナギが生えているだけの世界ではなく、鵜の死骸が横たわっていた。あれだけの数の鵜がいるのだから、死骸を見ても不思議ではない。

 

 このブログは、カヤックに乗るための技術や、道具の使い心地についてはほとんど言及していない。でも、世間的に需要があるのは、どんなカヤックを買えばいいのか? といったハードウェアに関することだと思う。カヤックに乗って、僕がどう感じたのかについて、興味がある人は少ないだろう。

 地図上のGPSロガーの軌跡を見ると、小刻みにジグザグになっている。漕ぎつつ休憩を繰り返す場合、カヤックが流されるので、こんな感じの軌跡になる。

 

 この日、漕いだ距離は5.2キロ。

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